クローン病患者の救世主、エレンタールの話

クローン病

どうもこんにちは、MDです。前回の記事でクローン病を患って約20年経つ話を前回しました。

この記事の中で、「クローン病っていうお腹が突然痛くなる病気があって、悪化すると何も食べられない状態が続き、その間は栄養が取れないため右鎖骨ら辺に管を入れて栄養を流していた」という話をしました。

もちろん私の経験の話なのですが、これはかなりレアケースでして、基本的には入院などせず自宅で絶食をしていると症状が落ち着いて、お粥とかうどんくらいからまた食べ始めるのが一般的です。

となるともちろん栄養を摂取できないので痩せていくのですが、そこで登場するのがエレンタールという成分栄養剤というお薬です。今回はそのエレンタールの話を。

消化器トラブルの救世主:エレンタール

簡単に説明すると粉末状の栄養剤でして、水に溶かして飲むことで1袋あたり300kcalを摂取することができます。

エレンタールには生きていく上で必要とされる様々な栄養素が含まれていますので、絶食中はエレンタール飲んで暮らす感じなのです。

普通、人が食事から栄養を吸収する場合、タンパク質だと胃酸や消化酵素で「アミノ酸」にまで分解した後、小腸から吸収します。しかし『エレンタール』には、最初から「アミノ酸」の状態で配合されているため、体内で「タンパク質」を消化・分解をする必要がありません。

消化管に異常があり、消化吸収能力に問題がある場合、エレンタールで栄養を摂取することで消化管を安静にすることができます。

エレンタールの難点

こんな素晴らしいエレンタールですが、ここまでの説明を読むと「だったらもうずっとエレンタールだけ飲んでりゃいいじゃん?」と思いますよね?私もそう思います。

ただいくつか難点があります。

脂質が少ない

エレンタールに含まれる成分の中で脂質が少なくなっています。それは脂質の場合、消化管に負担がかかるからのようです。

なのでずっとエレンタールだけで静養する場合は何らかの形で脂質を摂取する必要があります。

私が入院していた頃は、前の話なので記憶が曖昧ですが白い点滴をしていました。

すぐ下痢をする

どういう理屈かは知りませんが、エレンタールは少しずつ飲まないとすぐに下痢をしてお腹が痛くなります。

浸透圧が高いとか看護師さんは言っていたけれど、ゆっくり飲むか濃度を薄くして飲まないと栄養として吸収されません。

消化機能が完全に終わっていた頃は自動的に流し込んでくれるポンプを使って、鼻から胃までチューブを入れて摂取していました。

どういうことかイメージが湧かないと思いますので、どんな感じで生活していたかと説明すると、仕事から帰ってきてお風呂に入って寝る前に、エレンタールを1パック300mlになるよう、水で3パック分を作ります。

トータルで900mlのエレンタール液ができるのでそれをポンプに繋いで鼻からチューブを入れて流し込むのです。

流し込む液量の設定ができますので1時間あたり100ml流れるように設定し、9時間で終了する計算です。

なので、夜21時にセットして朝6時に片付けをして出勤するような流れですね。

ポンプは基本電源に繋がれてますが充電式なので移動はできますので、部屋を移動する時はポンプを持って生活するのですがとても面倒で。

もちろん会社ではそんなことはできないので、inゼリーやメイバランスなど気軽にカロリーが取れそうなものを飲んでました。

圧倒的にマズい

ある程度体調が良くなってくるとポンプは使わずに口から飲んでも、ゆっくり飲めば腹痛や下痢にならなくなります。

ただ、鼻から摂取していた時はもちろん口を経由しないので味が分からなかったのが、残念ながらものすごくマズいのです。

そのために開発されたフレーバーというのがあってエレンタールを水で溶かす際にそのフレーバーを一緒に入れることでだいぶ飲みやすくなります。

味は青リンゴやヨーグルト、オレンジなど様々あって、全種類試したところヨーグルトとさっぱり梅味、グレープフルーツの3つを使うようになりました。

エレンタールをうまく付き合うために

というわけで、この記事ではクローン病患者が栄養を補給するための救世主エレンタールについて紹介しました。

エレンタールの難点ということでいくつか挙げましたが、こんなことは些細なことです。消化器が機能していなくても生きていけるのですから。

ただ、ガチで死にそうになった時はそう思えたのに、体調が回復したらなんだかんだとワガママは言いたくなるもので。

私の場合はいまエレンタール3パックを飲んで、あとは食事として栄養を摂っています。

なるべく消化しやすいものを選びつつ、体調や状況に合わせて家族で焼肉を食べたりしているので、かなり満足度の高い生活を送ることができています。

クローン病といっても色んな症状の人がいるので、具合の悪い人に明るい未来を見せられるわけではありませんが、こんな一例もあるよというお話でした。

MD / でじたるがかり

MD / でじたるがかり

はじめまして、MDと申します。現職はコンサルBIG4のIT担当者。新卒でブラック営業→倒産→派遣で社内SE→正社員登用→現職という感じで派手に氷河期を生き抜いてます。副業で地元の飲食店などのITサポートも。難病のクローン病持ち。子どもは3人。詳細は↓の地球儀アイコンをクリックしてみてください。

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現職はコンサルBIG4のIT担当者。新卒ブラック営業が倒産→転職先が見つからず上京→メーカーの情シス派遣社員→リーマンショックでクビ→商社の派遣情シス→正社員登用→13年ほど勤めたあと転職して現職。氷河期世代を生き抜いてます。/副業は地元のITサポート / 3児の父 / 情報処理安全確保支援士 / クローン病 / 詳細は↓の地球儀アイコンをクリック

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